vol.8 売れる営業パーソン➁

今回からは、前回列挙しました「売れる営業パーソン」の8つの特徴について2回に分けて解説します。

1.「営業」という仕事を正しく理解している

よく研修会などで受講者に「営業とは何をする仕事ですか?」と尋ねると、「うちの会社が作ったモノをお客さんに売り歩く仕事」とか「商品をできるだけ多く高く買ってもらうために売れそうなお客さんを探して交渉する仕事」などといった答えが返ってきます。それはそれで間違いではないのでしょうが、会社にとって顧客というステークホルダーは貴重な資産であることを忘れてはいけません。会社の商品やサービスの価値を認めて、その価値の対価を払って購入してくださる「自社の価値を支える基盤」であり、一度売ったら終わる関係ではないのです。

このご時世、新たなお客様を探すのはどれだけ大変なことなのか、営業パーソンなら誰しも身に染みて感じているでしょう。だからこそ、営業とは単純に「物を売る」仕事ではなく、むしろ「自分たちの価値を相手に正しく伝え、その価値を認めてもらう活動」であることに気づくはずです。優秀な営業パーソンは、目先の案件について営業活動をしている段階で既に次の商談のことを考え、それどころか将来にわたる関係性の構築さえもイメージしています。しかし、単に「物を売る」姿勢ではこのようなイメージづくりはできません。顧客が自分たちを必要とする状況や関係性を意識して作り上げなければならないのです。

そう考えると、営業は何をすべきか、どのような姿勢で顧客に接するべきか、自ずと答えがでてくるはずです。端的に言えば「顧客が抱える課題を解決するお手伝いをし、自分たちの価値を認めてもらう」ことなのです。自社の扱う商品やサービスのみならず、営業パーソン自身が顧客にとって役に立つ、かけがえのない存在に成りさえすれば必然的に「売れる」のであり、不毛な価格競争に巻き込まれるリスクを抑えることができるのです。そして、顧客と営業パーソンがトータルで見て対等でWIN-WINの関係になれば、この関係性は長続きします。

2.何ごとにも行動がスピーディ

営業活動はスピードが勝負です。営業パーソンは常にライバル会社の営業パーソンとの競争の中に居ることを忘れてはいけません。作業、移動、返事など、どんな場面でも素早く動き、分からないことは素直に聞く、失敗したら素直に謝る、周囲を気分良くさせる、常に3S(スピード、ストレート、スマイル)を心掛けてください。

営業の仕事は多くの場合、並行して複数の顧客を担当しますが、何十あるいは何百もの社数をこなす担当者も居て、仕事を進める際には厳密なスケジュール管理が必要となります。スケジュール管理を行ううえで重要なことは、仕掛かろうとする案件がどのくらいの時間や労力が掛かるのか見通しを立てることです。皆さんも経験があると思いますが、仕事の見通しは取り掛かってみないと分からないことがよくあります。特に新たな案件の場合などではなかなか想定しにくいことがあります。では、その場合どうするのか?答えは簡単、できるだけ早くその案件に着手するしかありません。スタートが遅いと何かトラブルが生じたときにリカバーすることは難しく、取り掛かかるのが早ければ早いほど全体感が見えやすくなるので、予期せぬトラブルにも対応できます。このような仕事の進め方が相手の安心感や信頼感を生み出すのです。

それと営業パーソンは、自分たちの時間は会社にとってコストであることを忘れてはいけません。与えられた時間の中で最大限の成果をあげた営業パーソンが最も生産性が高い、つまりスピードが速いことは営業パーソン自身の大きな付加価値であり、優秀な営業パーソンは、何事にもスピーディなのです。

3.相手に与える第一印象を大切にする

多くのライバル企業の中から自社を選んでもらうために、顧客との初対面で営業パーソンが強烈な印象を与えることも作戦の一つです。ただし、それは奇抜な恰好や馴れ馴れしい態度をとることではなく、自分の特長や魅力をさり気なく伝える自己紹介を演出することです。自分が熱中しているスポーツや趣味の話でも結構ですが、最初は嫌味にならない程度で口走るのです。また、仕事の話では決して知識をひけらかさず、謙虚さを示し、絶対に相手と張り合ってはいけません。それと競合するライバル会社など他者の悪口を言ってはいけません。あくまでも主張するのは自分たちが優れている点や強みについてだけです。とにかく、初対面ではもう一度会ってみたいと相手に思わせなければ次は無いのですから。

4.顧客の御用聞きにならない

顧客のリクエストにどうしても応えられない場合に、あなたはきちんと「NO」を伝えることができますか?よく営業パーソンは顧客にNOと言ってはいけないと言われます。もちろん、営業の仕事は「顧客に必要としてもらうこと」ですので、大切な顧客のリクエストには誠実に対応し、四方八方手を尽くすことを欠かしてはいけません。しかし、最初から出来ないのが分かっているのに、無駄に引っ張った挙句、顧客の期待を裏切る回答しか出せなかったり、結局出来ませんと泣きついてしまうのは愚の骨頂です。できないものはできるだけ早く「NO」と言った方が相手にも迷惑を掛けずに済むのです。

そこで伝え方を工夫してみてはいかがでしょうか。同じ「NO」を伝えるのなら、「できることはこんなことです」とか「こんな条件なら何とかできそうです」とポジティブに言ってみるのです。例えば値引き要求に対しては「ロットを増やして頂けたら」「現金支払いなら」「他の商品と一緒に購入して頂ければ」、あるいは「過剰なサービス部分を省くのであれば」、NOではなく「YES」ですと伝えるのです。即座に相手に返すスキル、つまりWIN-WINの関係を維持しながら顧客の要求をどうしたら叶えてあげられるのかを考える能力が、「売れる営業パーソン」には備わっているようです。

次回は、残り4つについてお話します。

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